<パート1>税と登記の接点について

税と登記の接点について、ポイント整理

(1)税と登記 「物を動かす前に何を考えるか」=税=です。
税金がどれくらいかかるかを考えてください。

(2)名義変更と登記 救済手段もあります。

(3)個人の土地・建物に
  かかるおもな税

① 所得税(国税)
② 相続税(国税)
③ 贈与税(国税)
④ 登録免許税(国税)
⑤ 印紙税(国税)
⑥ 不動産取得税(都道府県税) 
⑦ 固定資産税(市町村税)
⑧ 住民税(都道府県税、市町村税)

(4)登記をするために必要な
  おもな添付書類

① 登記原因を証する書面
② 登記済証
③ 印鑑証明書
④ 住所証明書
⑤ 代理権限証書
⑥ 固定資産評価証明書


(2)名義変更と登記

税と登記は密接に関係しています。その関係が顕著に現れる例があります。
 父親が、自分名義の土地を子供に贈与登記をしてしまった。その後に、税務署から贈与税の申告義務を指摘され、200万円の贈与税の負担が生じた、というケースです。
 1.で述べたように、不動産を動かすときは事前に税を考えよ、というのが鉄則ですが、それを考えずに贈与をしてしまい、その結果税金を納付することになってしまったという場合には、次のような救済手段も考えられます。
 不動産の贈与登記を過誤もしくは軽率に行った場合、贈与税の申告期限までに贈与財産のすべてを元の所有者の名義に戻して、その贈与が当初からなかったものとするのです。したがって、贈与によって子供名義に変更した所有権移転登記を、錯誤を原因として父親名義に戻す更正登記をすることによって、贈与税が課税されないということになります。
 このようなケースには救済手段もあるのですが、すべての場合に救済手段があるとは限りません。ですから、不動産を動かす前に、税金がどのくらい課税されるかを知っておく必要があります。